自作短編小説モンスターハンターver パートⅢ

僕と彼はこうして行動を共にすることになった。
僕らはドンドルマから、彼の配属先である雪山地方へ汽車で旅立つ。
かなりの長旅になるため、それなりの準備が必要だった。
僕は彼に渡したピアスを彼が耳につけているのをみて、少し安心した。
僕はバッグの中にいれたメランジェの水晶をそっと撫でた。


ぼくらは、これからどうなるのだろう。
僕を仲間にすることも、彼のとっさの思い付きだったんだろうと思った。
でも、簡単すぎやしないだろうか??
どうも僕にはこの旅には裏があるようで仕方がなかった。
だが僕は思った。
それも全て、彼がハンターとして全てを成し遂げたとき、僕が武器商人としての全てを彼に捧げたとき、わかることだとおもった。
そのとき、この旅のおともが何故僕だったかもわかるような気がした。
僕より優秀な武器商人はざらにいる。
彼は何かを意図して僕を選んだのだろうか・・・。
たまたま僕だっただけだろうか・・・。


そんなことを、汽車の中で考えていた。
彼との会話はほとんどない。
彼はずっと汽車の切符をながめていた。
切符は、木製の手のひらほどの大きさだった。
その切符には、「ポッケ村行き」と深く刻んである。
僕は行き先を雪国としかきかされていない。
だが様子を見ると、どうやら「ポッケ村」へ行くらしい。
聞いたこともない名前だ。
まぁ何がともあれ、しばらくは落ち着けるだろう・・・。
僕は「ポッケ村」の武器商人として、これから過ごすだろう。
ココット村の人はいい人だろうか・・・。
彼はハンターだからいいとしても、僕は果たして歓迎されるのであろうか。
正直、不安がたくさんあった。
だがそれも、向こうに着けばなんとかなることだ。
いつのまにか、僕は深い眠りについた。



彼は眠る僕を見ていった。
「君が私の全てを握っているも同然だな・・・。」
彼はゴールドイクリプスを取り出し、砥石で研ぎだした。
「まぁポッケ村まではあと8日もかかる。あせることもないだろう・・・。」
それは独り言のようでもあり、僕への問いかけのようでもあった。